Tokyo, 2007年10月19日, AEST (ABN Newswire) - 公立大学法人会津大学(福島県会津若松市、学長:角山茂章、以下 会津大学)と西日本電信電話株式会社(大阪市中央区、代表取締役社長:森下俊三、以下 NTT西日本)は、これまで計算リソース不足の理由から十分に活用することができなかった膨大な量の惑星探査データを解析することで、これまで解明されていなかった惑星の詳細な実態を明らかにするための共同実験を平成19年10月20日から開始します。

本実験は、複数の一般家庭パソコンの余剰能力を集約・連携させ、スーパーコンピュータ並みの高速で大規模な計算処理を実現するNTT西日本の「ひかりグリッド」(別紙1)を利用し、小惑星探査機「はやぶさ」からの膨大な量の画像データを高速処理することで、小惑星「イトカワ」の実態を明らかにするという惑星探査データ解析では前例のない取り組みとなります。


1.実験の目的

近年、惑星探査技術の発達は著しく、一度のミッションで取得される画像データの種類は多岐にわたり、かつデータ量も増加しています。これら大量の画像データを十分に活用するためには、それに対応したスーパーコンピュータ等の計算リソース及び計算アプリケーションが必要ですが、一般の研究者にとっては計算リソースを購入する費用や設置スペース等が障壁となり現実的ではありませんでした。

この課題を解決するため、企業や研究機関が大規模な計算を手軽に行うことを可能とする「ひかりグリッド」サービスの展開を図っているNTT西日本と、惑星探査機が撮影した大容量かつ大量の画像データを効率的に処理するアプリケーションの開発を目指す会津大学が共同ナ実験を行うこととしました。

 会津大学とNTT西日本は、本実験を通じて惑星地質学の研究の促進に貢献していきます。


2.実験の概要

惑星探査機が取得した画像データに基づく惑星地質学的なデータ処理と解析、また関連する計算機シミュレーションの内、特に計算機能力が要求されるタスクを「ひかりグリッド」が実現する仮想的なスーパーコンピュータ上で実行することによって、短期間で効率的に計算結果を得る実験を行います。(実験概要は別紙2)
 尚、実験の進捗状況、および成果は東京大学総合研究博物館にて開催される特別展示 『異星の踏査-「アポロ」から「はやぶさ」へ-』 (※1)にて随時公開します。

(1)実験期間

平成19年10月20日から平成20年3月末まで(予定)

(2)実験内容

小惑星探査機「はやぶさ」が取得した、小惑星「イトカワ」の大量の二次元高解像度画像の一枚一枚の撮像条件に合わせて、三次元モデルと航法データを元に、太陽光の入射角度等の光散乱特性を反映させ、厳密な小惑星の見え方を再現します。
 なお、その他の惑星も実験対象として行う予定です。


3.共同実験の分担について

本共同実験の実施にあたっての分担は以下の通りです。

会津大学: 解析ソフトウェアの開発・運用、画像データの提供、計算結果の評価・解析
NTT西日本: グリッド技術及び計算リソースの提供



4.今後について

本共同実験の成果を元に、会津大学は小惑星表面の光散乱特性を始めとした表層環境の解析を進めます。また、将来的には同様の手法で小惑星表層の土砂流動メカニズムの解明を行い、惑星科学に新たな知見をもたらすほか、地球上の地滑りや土砂崩れ等の災害対策や惑星資源活用の研究に役立てます。一方、NTT西日本は、地球観測衛星や天体観測衛星など惑星探査以外の分野への展開を図っていきます。


※1 『異星の踏査-「アポロ」から「はやぶさ」へ-』は、東京大学総合研究博物館で2007年10月20日から12月26日まで開催されます。

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2007planetary_geology.html







お問合せ先

《本件に関するお問い合わせ先》

◆ 公立大学法人会津大学
コンピュータ理工学部 コンピュータソフトウェア学科
平田 成
Tel:0242-37-2713
E-Mail:naru@u-aizu.ac.jp

◆ 西日本電信電話株式会社
サービスクリエーション部 新ビジネス部門
因幡 英明、宮崎 秀人、鳥嶋 祐嗣
Tel:06-4793-8710
E-Mail:info-grid@west.ntt.co.jp


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